しばらく書評をサボっていたのだけれど、すこし落ち着いてきたので、復活。
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佐々木氏の新作。
マスメディアとblog・2chとの対比をネット規制法、小沢党首ニコ動降臨などいくつかエポックメイキングなタイミングを取り上げてまとめてある。
それぞれの事例ごとに章立てされていてCGM(と言う言葉は適当でない気がするが)の位置づけを試みている。それぞれの引用を読んでいくだけでも、著者の読書量(blogを読むのは読書に含まれるのかな?)に圧倒される。
それぞれの位置づけには説得力があるが、妥当かどうかはイマイチよく分からない。
たとえば秋葉原通り魔事件の犯人がつらつらと「彼女欲しい」と書きつづってあるのは「全人格的な承認欲求」とされる。年齢的にも存在感的にもbmはその犯人に近い存在だと位置づけられるだろうが、同じ目線で身に引きつけて考えても、それには違和感がある。どこが違う、と言うわけでもないのだが、承認欲求もそうだが、独立した個人としての自立欲求というほうが近いのではないか、と。文章が下手で説明できないのがもどかしいけれど。
チベット問題に関しては歴史的な背景、外からは分かりづらい内政的民族的メンタリティがあるのだろうし、それをふまえきれずに「チベットカワイソー」「中国サイテー」と言ったところでどれほどの意味があるのか、と思っている。実際に書いている人はどれほどふまえているのだろうか。それをふまえ切れていないとすれば右派、左派と言う議論の問題でもなく、「トリアージ」の証で語られているような感情論的な戯れ言にしか聞こえない。そういう意味では思想背景が分かっている大手マスメディア(特に新聞)にくらべてblogは弱い、か。
オジサン達には、もちろんこれが全てだとおもって読んで欲しくはないが、論点を凝縮してうまく1冊にまとめてあると思う。連載をまとめたものとは思えない密度。

