コンペイトウ~ちゃんと拾って踏んづけないように~

コンペイトウは、ちっちゃいなぁ。
それでも、ひとつひとつが、ちゃーんと甘くて、形がみんな違う。
時間って、コンペイトウをスプーンでかき集めたみたい。
たくさんあると、カラフルで、とっても甘い。いろんな毎日がある。

今、
こぼしちゃったコンペイトウをいっこいっこお皿に入れているの。
たくさんあったものを、一気にこぼしちゃったから、
なんだかびっくりしちゃって、ちょっと動けなくなっちゃったけど、
そのままじゃ、踏んづけちゃうから、
元どうりに、あったところに片付けていくことにしたの。

空が透き通っていて風は冷たいけれど、ひだまりが暖かかった日。
路地にある桜の樹の葉っぱは、穴だらけになりながら、しがみついてて、
その隙間から見える青空と、冬の匂いで気分がキュンとなった。
これからはじまるお家への道のりは、落ち着かなかった。
スズメみたいに、ちょこちょこ歩いて、知らない道を楽しんだ。
幼稚園の脇の細い道と階段は、なんだか古くさい良さがあった。
お家の横には、大きな樹があって、風が吹くと魔力があった。

黄色くってちっこいメジャーを買って、お家のサイズをはかって、
得意気になって、画用紙にサイズを書いた。
材木屋さんへ行って、木を調達して、金具屋さんへ行ってネジを買って、
ひとつずつ材料をそろえて、ひとつずつ組み立てた。
ちょっと疲れた時は、セレブカフェでコーヒーを飲んで、ピクルスを食べた。
海沿いをドライブしながら、大きな声で歌をうたった。
足りない部分は、ちょっとずつ作り足して、
カーテンを付けて、ベッドを探して、本を本棚に並べて、
毎日、少しずつ、色んなものを揃えるの。
何度も何度も荷物を運んで、ちょっとずつ集めたの。
色んなものを、つくっていくの。
そして、写真を撮って、撮って、撮って・・・
こうやって、一粒一粒、コンペイトウが集まっていった。


ちょっとびっくりした隙に、お皿を落としちゃったんだ。
お皿が割れちゃったから、新しいお皿に入れることにしたの。

大きな樹は、一日ずつ短く切られていって、
空気が流れなくなちゃって。
このままじゃ「生きられそうもない」と思った。

だからね、今、いっこ、いっこ、
拾って、新しいお皿の中に入れていくの。
踏んづけちゃわないように、足元を見て、
死んじゃわないように、深呼吸をして。

絡まった糸をひとつずつほどいて。
今度はこんがらがってしまわないように、
ちゃんと整頓。
ほどいて、ほどいて。

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