樹海の端くれで腐る蛾

パタパタパタ・・・
蛾は蝶よりも飛び方が荒くて、粉が散る。
遠い太陽を追うことはしないけれど、
真夜中の電灯を目がけて飛んでいるから、
優雅では無いが、光を目指す強さを感じる。

樹海に足を踏み入れて、早数年・・・
方位磁石なんか要らないんだよ。
だって、横に車道が見えてるんだから。

けれども、その道が見える所にいる自分に腹が立っていながら、
それでも、、なんだかんだ樹海に潜りこむことも出来ずにいて、
気付いたら、どっちでもなくなってたのさ。
迷子でもなければ、山登りもしてない状態。
いっそのこと、足を滑らせて樹海の坂道に落ちていってしまえばいいのに。
もしくは、山が一斉に枯れきって、迷ったフリから体が露になればいいのに。

あぁーやだやだや。
こんなんやだ。
どうにでもなればいいのに。
どうにもなれない。
いや、違うな。
「なれない」なんて言い方、何かのせいにしている。
「どうにかしたい」と「どうにもしたくない」自分が、
時間差でやってきて、とりあえず一日が過ぎる。

ドッカーン!
とか、
ガッツーン!
とか、
ズッドーン!
とか、
そういう効果音がある状態がほしい。

腐ってきた・・・
「きみ、腐ってるよ、臭うよ」って言ってよ。
もしくは、ゴミ袋に入れて処分して!
樹海の入り口の片隅で、腐りかける。
誰もだーれも、気が付かないで。
小さすぎて、踏み潰されちゃって、カラカラに干からびて、
それで消えてれば、蛾は粉々に消えることができる。

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