両親は偉大

ブツっ・・・・・・


私の中の太い弦が、音を立てて、切れた。

昨日までずっと仕事が続いて、今日も収録だった。
収録は好きだし、私にとって唯一ストレス発散できる場。
けれど、私の中の緊張は休まることがなかった。
まだ大丈夫、まだ大丈夫って、自分を言い聞かせて、
なんとか騙し続けてきたんだけど。

だめだったみたい。

生まれて初めて、親にすがりついた。
「ゴハン、しようか・・・」
って、自分から親を誘ったの。
親は、もちろん何かを感じ取ったんだろうね。
私は何も話さなかったけれど、「渋谷まで行こうね」って、
遅いのにわざわざ電車で来てくれたんだ。
父さんも休みだし、お店も見たいからって、
本当は、心配でしょうがなかったからなのに、
2人とも、文句ひとつ言わずに、来てくれた。

夕食を3人でとったのは、とても久々で、
それでも何も言わず、おいしいねって食べてくれた。
食事が落ち着いたところで、
「なんかあったんだね」って母が口を開いた。
そんな切り出しの仕方をされて、私が話すまでじっと待ってくれた。
今まで誰にも話せなかったことを、全部話して、とにかく話続けて・・・
何も言わずに「そうか、そうか」って、笑いながら聞いてくれたんだ。
でね、母に色んなアドバイスをしてもらって、ちょと楽になった。
父は終始無言で、ニコニコと話を聞き続けてくれた。

母がお手洗いに行った隙に、父がポツリと言ったんだ。
すごく納得のいく、言葉。
きっと私が求めていたヒトコト。

私は両親の前に向かい合って、話していたけれど、
母親は、こんな父をすごく好きで一緒になったんだなって、感じた。
この夫婦に色んなことがあったことは、よく知っているけれど、
2人はとても仲が良くて、すごくお互いを大切にしている夫婦なんだって、
改めて、実感した。
素敵だなって思ったんだ。

帰り道、私の職場の前を通ったから、母を会社に案内したの。
初めて、私が働いている環境を見て、「わぁ~」って言ってた。
本当に嬉しそうだった。

同じ電車で途中まで一緒に帰ったんだけど、
私、明日も仕事。明日しなければ、明後日が地獄。
そんなくだらない理由で、電車を降りたんだ。

今。
どうして、その電車で一緒に帰らなかったんだろうって、
ものすごく、ものすごく、後悔している。
余りにも自分の感情と違う行動をしすぎて、
ホームで泣き続けた。
なんてバカなんだろうって。

8月には、ちゃんと休暇をとって、家に帰ろう。
今の私に必要なものが、よく分かった。


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